Classical The Best Disk 4
クラシック・ザ・ベスト・ディスクとして特に音質・演奏共に定評のあるレコードを掲載しています。
復刻されているレコードは、元々演奏・録音共に良いために望まれて復刻されていますが、その中からレコードを実際にご購入頂きましたお客様や店主の感想をまとめてここにピックアップしました。
勿論新録音もあります。
音質の良いレコードをお探しの方の参考になれば幸いです。
★★★★★ = 高音質盤の中でも特に良い音です。 ★★★★ = 最上級の音質です。
Bruckner
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 33rpm 2LP
<演奏>
ベルナルド・ハイティンク指揮
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
<曲目>
ブルックナー :交響曲第7番 ホ長調
♪ 2019年に引退を表明したハイティンクが、生まれ故郷アムステルダムのコンセルトヘボウで最後に指揮をした演奏会のライヴ録音です。
先にHybrid SACDで発売されベストセラーとなり、英グラモフォン誌、蘭ヘト・パロール紙、米アメリカン・レコード・ガイド誌等で録音も高評価を得ています。
ハイティンクが最後の演奏会に選んだブルックナーの7番は自身の重要なレパートリー として生涯何度も取り上げています。ハ イティンクが特別な想いを込めてこの曲を選んだことが分かる素晴らしい演奏です。
オランダに本拠を置くChallenge Classicsのアナログレコード第3弾です。
50タイトルを超える優れたアーティストやSACDへの高音質ソースを世に送り出し、2020年より高音質アナログレコードの制作も開始しました。
第1弾はリナス・ロスのチャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、第2弾はアルマ弦楽四重奏弾、コンゴルド:弦楽四重奏曲と素晴らしい演奏とレコードならではの高音質を聴かせてくれました。
そしてこの第3弾のハイティンク = オランダ放送フィル盤は更に重厚でスケールの大きな音場を見事に盤面に刻んでいます。
プレス・盤質ともに大変優秀で冒頭からほぼノイズレスの状態で全曲を聴き通せました。
Beethoven
ベートーベン:ヴァイオリンソナタ第9番・10番 33rpm 2LP
<演奏>
ギドン・クレメール(vn)
マルタ・アルゲリッチ(pf)
<曲目>
ベートーベン | :ヴァイオリンソナタ第9番 イ長調《クロイツェル》 |
:ヴァイオリンソナタ第10番 ト長調 |
♪ 1980年代〜1990年代にかけて最高のデュオとして活動して来た2人の演奏がレコードで初めて蘇ります。
BBC Magazineより「ほかに比肩するもののない録音。何物にもおさまらないとてつもないスケールの演奏」と評された名盤です。
実際にレコードで聴いてビックリしました。なんとリアルなヴァイオリンソナタでしょうか!まるで目前で演奏しているようです。
私自身のレコードで聴くヴァイオリンソナタの概念を見事に覆してくれた驚きのレコードです。
クレメールとアルゲリッチの掛け合いが熱くグイグイと引きこまれてしまいます。
クレメールのヴァイオリンの音色も素晴らしいのですが、それ以上にアルゲリッチのピアノのディナミークや音色の変化が見事に収録されていてヴァイオリンソナタでこれ程ピアノに注耳?したことはありません。
お勧めのレコードです。
Bruckner Complete Symphonies
ブルックナー:交響曲全集 33rpm 15LP
<演奏>
若杉 弘指揮
NHK交響楽団
<曲目>
ブルックナー
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:交響曲第7番 ホ長調 1996年1月29日 |
:交響曲第3番 二短調 1996年2月26日 |
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:交響曲第8番 ハ短調 1996年3月31日 |
:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」1997年2月24日 |
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:交響曲第2番 ハ短調 1997年1月13日 |
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:交響曲第6番 イ長調 1996年3月18日 |
:交響曲第5番 変ロ長調 1998年1月27日 | |
:交響曲第1番 ハ短調 1998年2月28日 |
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:交響曲第9番 二短調 1998年3月13日 |
♪ ブルックナー没後100周年・サントリーホール開館10周年・N響創立70周年が重なった記念すべき1996年から、98年にかけて3期9公演にわたり行われた若杉 弘指揮/NHK交響楽団の伝説的ブルックナー・チクルスの全てを15枚(5枚づつ3回の分売)のレコードに収められています。
録音も素晴らしくリハーサルもすべてサントリーホールで行いホールの響きを指揮者も演奏者も完璧に把握してから本番に臨むという贅沢なプロジェクトが功を奏したようで、各楽器の音色が見事にサントリーホールに溶け込み臨場感豊に響きます。
更にNHK交響楽団のNHKホールでは聴くことが出来ないサントリーホールでの音色も認識させてくれました。
音質確認の為に棚から一昨年に発売されたハイティンク指揮/ベルリン・フィルハーモニーが演奏した交響曲第7番のダイレクトカッティング盤を取り出して聴いてみましたが、間違いなく一歩も引けを取りません。
ハイティンク盤と比べて欲を言えばごく僅かに低域が薄目でしたが、その反面高域の抜けが素晴らしく金管のフォルテッシモなどは快感です。
聴いていて背筋がゾクゾクする演奏はそう沢山はありません。
演奏・録音共にお勧め出来るブルックナー交響曲第全集です。
(3巻揃えますと全集になります。)
The Messenger
ザ・メッセンジャー 33rpm 2LP
<演奏>
エレーヌ・グリモー(pf)
カメラータ・ザルツブルク*
<曲目>
モーツァルト | :幻想曲 二短調 |
:ピアノ協奏曲第20番 二短調* | |
:幻想曲 ハ短調 | |
シェヴェストロフ | :使者(ピアノと弦楽の為の)* |
:2つのダイアローグとあとがき* |
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・ウエディング・ワルツ | |
・ポストリュード | |
・朝のセレナーデ | |
:使者(ピアノソロの為の) |
♪ モーツァルトと現代作曲家シルヴェストロフの作品をグリモーの選曲でアルバム化されました。現代音楽と言ってもシルヴェストロフは、和声的で緊張度の高い和音では無く柔らかでモーツァルトとの音楽とも違和感の無い響きです。
グリモーは、メッセンジャーという的を見事に得ていて、優秀な録音も加わり素晴らしいアルバムになっています。
特にピアノ協奏曲20番は小編成のオケをバックに講堂の豊かな響きに包まれクリアながら心地よいモーツァルトになっています。
個人的な好みで言えば今まで聴いてきたモーツァルトピアノ協奏曲第20番のベスト5に入る名演・名録音だと思ます。
Rachmaninov
ラフマニノフ:《晩祷》 45rpm 2LP
<演奏>
ヴァディム・ガン(聖職者) /マリア・ベレゾフスカ(a)
ドミトリ・イワンチェンコ(聖職者,t)
ペーター・ジェルミホフ指揮/グローリエ・デイ・カントレス合唱団
聖ロマノス礼拝堂聖歌隊隊員/パトリアーチ・ティホン合唱団団員
ワシントン・マスター合唱団団員
<曲目>
ラフマニノフ | :正教会奉神礼音楽《晩祷(徹夜祷)》 |
1、来れわれらの主、神に | |
2、わが霊や主を讃めあげよ | |
3、悪人の謀に行かざる人は福なり | |
4、聖にして福たる常生なる天の父 | |
5、主宰や今爾の言にしたがい |
|
6、生神童貞女や喜べよ | |
7、至高きには栄光 | |
8、主の名を讃めあげよ | |
9、主よ爾は崇め讃めらる | |
10、 ハリストスの復活を見て | |
11、わが心は主を崇め |
|
12、至高きには栄光神に帰し |
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13、今救いは世界に | |
14、爾は墓より復活し | |
15、生神童貞女讃歌 |
♪ ロシア正教の典礼音楽のスペシャリストとして知られるペーター ・ ジェルミホフが指揮。ウク ライナ国立歌劇場からのソリスト2 人、そして男声を中心に他の合唱団から総勢 77 人が参加した豪華な作品です。
録音は、キース・O・ジョンソンとショーン・ロイス・マーティンがのチームで担当し、通常の半分のスピードでマスタリングとカッティングをした「ハー フ・スピード・マスター方式」を採用しています。
教会で収録された「カンターテドミノ」や「大いなる神秘」とは異なり楽器の無い声だけの音楽です。
サンプルでは、77名の声に圧倒されました。もの凄いパワーです。
また、気になる録音は、キース・O・ジョンソン + ハー フ・スピード・マスター方式 + Quality Record Pressingsと悪かろうはずありません。
Ysaye
イザイ:6 つの無伴奏ヴァイオリンソナタ 全曲 33rpm 2LP
<演奏>
ユリア・フィッシャー(vn)
<曲目>
イザイ | :6つの無伴奏ヴァイオリンソナタ 全曲 |
・第1番 ト短調『ヨーゼフ・シゲティに献呈』 | |
・第2番 イ短調『ジャック・ティボーに献呈』 | |
・第3番 ニ短調『ジョルジェ・エネスクに献呈』 | |
・第4番 ホ短調『フリッツ・クライスラーに献呈』 | |
・第5番 ト長調『マチュー・クリックボームに献呈』 | |
・第6番 ホ長調『マヌエル・キロガに献呈』 |
♪ ユリア・フィッシャー久々の新譜は何とLPのみ発売の完全限定盤、2017年収録のイザイ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲です。
この録音はユリア・フィッシャーのファン・クラブ「JF CLUB」の会員だけがストリーミングで聴ける音源でした。しかしファンの間でもレコード化が強く期待 されており、今回全世界 500セットのみの完全限定プレスで実現されました。
私自身ファンクラブが制作したレコードでは、音質についてはあまり期待できないと思っていましたが、本盤の1枚目に針を下ろした瞬間、そんな思いは一瞬で吹き飛びました。
ユリア・フィッシャーのヴァイオリンは、J.S.バッハの無伴奏と同じく適度ば残響を含んだ美しく澄んだ音色で2台のスピーカーの中央から聴こえてきました。素晴らしい録音です。
盤質も価格からは考えられない位の良盤です。また、ジャケットも素晴らしく美しい。
J.S.Bach
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲 33rpm 5LP BOX
<演奏>
ジャスティン・ピアソン(vc)/ペドロ・シルバ(5 String vc)*
キャサリン・ロックヒル(vc)**
<曲名>
J.S.バッハ | :無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 |
:無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 | |
:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 | |
:無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 | |
:無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 | |
:無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調* | |
バッハ = シューマン | :チェロ組曲第3番 ハ長調 ピアノ伴奏編** |
♪ Chasing the Dragonから初の豪華BOX LP の登場です。
BOX 仕様からも如何にこのレコードに力を入れているかが分かります。ちょっと説明が必用かもしてませんが、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲に間違いは無いのですが、組曲第6番は、元々5弦の楽器用として書かれておりこのレコードでは、忠実に5弦チェロが使われており、1番弦のA線の上にE線を加えた5弦チェロで録音されています。このため6番のみ演奏者が、ジャスティン・ピアソンからペドロ・シルバになっています。
また、シューマンが3番にピアノ伴奏を付けた珍しい演奏も追加されています。
レコード録音はChasing the Dragon御用達のNeumann U47を2本、NordostのODIN2ケーブルでマイクアンプのFocusrite Red 1 Quad(特別仕様) からダイレクトにSony APR-5000に入力されています。
高音質の裏側は、シンプル・イズ・ベストです。 この他にデジタル用としてNagra 6 、Tascam DA-3000 等で同時に収録されたようです。
録音風景を見ますと、どうしてもシャルランの影響が強く見られ、やはりクラシック録音の王道はワンポイント録音だと思えてしまいます。
そして、実際にこのレコードを聴いてしまうと、あまりの素晴らしさにマイクは2本で十分なのでは・・・と実感してしまいます。
バッハの無伴奏と言えばシュタルケルの名録音も浮かびますが、教会で収録された豊で美しいバッハも記憶の中にしっかりと残ってしまいました。
ここまで神々しいバッハ無伴奏は初めてです。
間違いなくJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲の最高峰としてお勧め出来るレコードです。
⭐️自身で購入したレコードや検盤・クリーニングを行ったレコード全てに細かな擦れのようなものがありました。
ノイズは無く、音質には全く問題が無いこと、また、メーカーに確認してもこのレコード全てこの状態だが、音質には問題無いとの確認が取れましたのでご了承下さい。
Mussorgsky / Ravel / Stravinsky
ムソルグスキー:展覧会の絵 他 33rpm 180g 2LP
<演奏>
カティア・ブニアティシヴィリ(pf)
<曲目>
ムソルグスキー | :展覧会の絵 |
・第1プロムナード | |
・小人(グノーム) | |
・第2プロムナード | |
・古城 | |
・第3プロムナード | |
・テュイルリーの庭 | |
・ビドロ(牛車) | |
・第4プロムナード | |
・卵の殻をつけた雛の踊り | |
・サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ | |
・第5プロムナード | |
・リモージュの市場 | |
・カタコンベ - ローマ時代の墓 | |
・死せる言葉による死者への呼びかけ | |
・鶏の足の上に建つ小屋 - バーバ・ヤガー | |
・キエフの大門 | |
ラヴェル | :舞踏詩《ラ・ヴァルス》 |
ストラヴィンスキー | :《ペトルーシュカ》からの3楽章 |
・ロシアの踊り | |
・ペトルーシュカの部屋 | |
・謝肉祭の日 |
♪ カティア・ブニアティシヴィリの4作目となるアルバムです。展覧会の絵、ラ・ヴァルス、ペトルーシュカからの3章、いづれもブニアティシヴィリにしては奇をてらったところが無く素晴らしい演奏です。
私個人的に聴いた同ピアノ曲のレコード中では1,2を競う優秀録音です。ダイナミックレンジが広いため、ピアニッシモの部分ではカートリッジ、プレーヤー、イコライザーのクォリティーがモロに影響すると思います。
実際カートリッジを頻繁に変えるため、アーム自体の高さ調整(レコード盤面との水平)がおろそかになっていました。
改めて調整して聴いたところ、ホールの奥行き感が綺麗に出て来ました。
ブニアティシヴィリの繊細で豪快な演奏・録音共に満足出来るお勧めのレコードです。
Vivaldi
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲集《四季》45rpm 180g 2LP
<演奏>
ジュリアーノ・カルミニョーラ(vn)
ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ
<曲目>
協奏曲第1番ホ長調 |
:「春」(La Primavera) |
協奏曲第2番ト短調 | :「夏」(L'Estate) |
協奏曲第3番ヘ長調 | :「秋」(L'Autunno) |
協奏曲第4番ヘ短調 | :「冬」(L'Inverno) |
♪ 古楽器グループ『ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ』に参加し、10年にわたりバロック・バイオリン奏法を習得し、1992年にこの四季が録音されました。この四季は今までのどの演奏より自由奔放な演奏と、驚異的な音質に驚かされ、バロック音楽とは思えない明確で鋭角的なリズムはバロックでは無くロックだと言われたほどです。
小型スピーカーで聴くとこじんまりとしますが、レンジの広い大型のスピーカーで聴くと情報量の多さに驚きます。
その高音質盤をハーフスピード・マスター、そして45rpmにて更なる高音質を実現しています。
O Magnum Mysterium
大いなる神秘 33rpm 180g LP
<演奏>
ジョセフ・フランマーフェルト指揮
ウエストミンスター合唱団
<曲目>
エドガー・ベイントン | :そして私は新しい天国を見た |
モーリス・デュリュフル | :キリエ |
ウィリアム・バード | : アヴェ・ヴェルム・コルプス |
トマス・ルイス・デ・ヴィクトリ | :大いなる神秘 |
モーツァルト | :アヴェ・ヴェルム・コルプス |
ブラームス | :何も手放さないでください |
ブルックナー | :アヴェ・マリア |
プーランク |
:大いなる神秘 |
♪ 店主はChesky Recordから発売され大評判となったこのレコードを持っていますが、合唱録音の最高峰と言えるびっくるするほど豊で、再生空間が広大な大聖堂に変わったかのような広がりがあります。
個人的にはカンターテドミノより良い録音だと思います。
合唱のハーモニーが柔らかく、これぞアナログ録音という響きです。
今回Chesky Recordからのマスターテープを元にAudionautes Recordingsが新たなマスターを作りレコード化されるとのことで、いまからワクワクしています。絶対に入手したいレコードです。